GW、またまた台湾に行ってきました。
日本ではCOVID-19が5類扱いになる直前ですが、ウイルスが手を緩めるわけではありません。
今回も観光客の多そうな場所を外して、地元民しか知らなさそうな少々マニアックな場所を中心にブラついておりました。
そんなユルい旅だったんですが、今回ホテルで危うく火事に遭いかけたのでちょっと記録をば。
書きながら色んな感情が蘇って熱くなってしまったので、今回も長文です。
割と良い雰囲気のホテルで事件は起きた
宿泊したホテルの名前は書かないのですが、台中駅東側(裏側?)でそれなりの年月営業しているホテルに泊まっておりました。そこは、おじさん出張者が好んで泊まりそうな重厚な雰囲気で、交通の便も良く、忠孝路観光夜市までも徒歩圏内。すぐ近くにはおしゃれなコインランドリーもあり、旅の途中での洗濯にも困りません。
部屋の中も、窓から朝日が差し込み、浴槽がありシャワーカーテンが掛かっています。トイレも紙が流せるタイプ。TVのチャンネル数が台北で泊まったホテルよりかなり少ないのを除けば、大満足のホテル…だった筈でした。
1泊目は穏やかそのもの
1日目は、味のある雰囲気の第三市場を通って台中文化創意産業園区を歩き、忠孝路観光夜市へ。
台湾でなくとも食べられそうなものを買って帰ってモシャモシャと味わい、台湾内の別都市を観光中の友人とLINE通話をして過ごし、眠りに落ちたのでした。
事件は2泊目の夜に
問題は2泊目でした。
昼間は紫南宮(別記事で紹介予定)まで行って帰ってきてクタクタになり、夜はまだ人が多くない早めの時間帯に一中街夜市へ。大腸包小腸(台湾ソーセージのもち米包み)やお茶、地瓜球(サツマイモ揚げ球)をササッと買って帰ってホテルの自室でムチムチ食べます。
食べ終わってお腹いっぱい。「風呂入るのめんどくせぇな~」とか思いながらベッドに転がりテレビを見ていると…。
バチバチッ!!
とデカい音。
「えっ何?こわ…!!」と思って固まっていると、何だか焦げくさい臭いが部屋中に広がります…。
言うてホテルの部屋。それほど広いわけではないので、おおよそどの辺りから臭いがしているか分かるもの。
「場所はおそらくTVの上の間接照明辺りか?配線が切れかかってるとかかな?とりあえず照明消した方がいいな…」といったことを普段の仕事の10倍のスピードで考え、室内の照明スイッチをあちこち触ってみます。
3か所の電球のうち2か所はOFFにできますが、どうやらもう1か所は在室時常時点灯の様子。
コントロールできる範囲の危険を最小化してから、原因を確認すべく椅子を持ってきて怪しい場所を覗き込んだら、何とこんな状態でした……。

いやいやいや、これはありえへんて!! 腐海やん!!
いやホンマの話、ナウシカのち~まいフィギュア立たせても違和感ないわ
このホテルは開業が1989年だそうですが、少なくともLED電球に交換するタイミングではこのホコリに気が付くはず。いやいやしかし、この積もり方だと30年は掃除してないでしょう。
そりゃ、ソケットだったり配線に問題がある箇所にホコリが触れて(?)火花も散りますわ。
このまま泊まるのは正直怖い
ただの掃除が行き届いていないホテルというだけなら、頭文字G等の害虫・害獣さえ出なければ1泊くらい我慢して何とでもなります。
でも今回は電気周りで、火花も散っているわけです。しかも電球1つは消灯できない。
(厳密には入室時にキーを差し込んでいる位置から抜けば消灯できるのですが、真っ暗でエアコンもOFFになってしまいます。最高気温38℃とか言ってる台中でそれは自サツ行為。)
おやすみ3秒超熟睡タイプの私は、寝てる間に火に巻かれるかもしれないわけで。少なくとも既に火花が飛んでいるこの部屋に泊まるのは怖すぎる!!
衝撃のあまり脳みその挙動がおかしくなる
ともかく、この部屋にいる限りは消灯できない電球1つはONの状態でホコリの腐海の中にいるのです。のんびりしてる間に再度火花が散って、今度はそれがホコリに着火し燃え広がる可能性もあります。
「とりあえず、どうする???この部屋に留まっとったら火が出るか分からん。台湾に骨をうずめたいとは思っとるが流石に今日骨になるのは早すぎやろ。部屋の鍵を定位置から抜いてしまえば、この電球は消えるわけだから……………」
普段の仕事の10倍のスピードで思考している割に考えがあちこちに飛んでしまい、結論が出るのが遅くなります。「遅刻遅刻ゥ~!!」といいながら、東京駅から新宿駅に行くのに東北新幹線で八戸駅まで行き、三沢空港までバスで行ってから伊丹空港に飛び、伊丹空港から羽田空港に飛んでからバスでバスタ新宿を経由して新宿駅に到達するくらいに我ながらまどろっこしい脳内でした。
考えている間にも、とりあえずガチで火が出たときに即座に脱出できるよう荷物をまとめていきます。普段なら「だっっる…」とか言いながらモタモタ20分くらいかけるのが、ものの3分程度でスーツケースとリュック1つに収まったのでした。
「よし、部屋変えてもらうか!!」
フロントに部屋移動を要望するが…
そうと決まれば直ぐにフロントへ電話。
脳みその片隅から、このホテルは日本語も英語も対応可の記載があった事を掘り起こします。
余裕が無くて、中国語はとてもではないですが出てきません(出てきたとしてもタカが知れてるレベル)。
日付が変わる直前の時間、日本語対応できる人がフロントに…おるか???おらんやろな~~~。
「でも、英語やったら何とかなるやろ多分。」
日頃は英語を使う機会も使いたい場所も話したい事もなく(鳥肌実「話したい事が無いんです!」じゃないですが)、TOEIC L&Rは攻略本のお陰で何とか最低限の点数な私。TOEIC S&Wなんて会社の昇格試験にも必要ないのでハナから受ける気も湧いてきません。そんな私なのに、部屋移動の要望を伝えるべく口から英語がスラスラ出てきます。
「すげぇ!聞き取れる!」と、自分のスピーキングのくせに他人事の脳内。アドレナリンどっぱどっぱなんでしょうか。火事場の馬鹿力(ぃゃホンマに火事になる可能性あったんですけど)ってこういう場でも発揮されるんですね。
さて、何とか英語で「室内で火花が散って煙のにおいがしている。原因はおそらく照明であり、このままこの部屋に宿泊すると火災になる可能性があるので、部屋を変えてほしいが可能か?」というお話をした私に、夜間のフロントスタッフが何と言ったかというと。
No English, please.
いやいやいやいや、このホテル英語対応可って書いてたやん!!
それでも私は諦めない
苦しみながらのタヒに方は嫌なんじゃ!!ということで、分からないなりに中国語でも言ってみます。
我想换房间,因为在这个房间里我看了火花,然后我闻了烟的味道。
※「部屋を変えたい、この部屋の中で火花が散るのを見たし、その後に煙の臭いを嗅いだから」と言いたかったけど多分文章的にはボロボロな筈です…ウヒィ…。
(なお繁体字中国語に変換したかったんですが注音記号分からんので簡体字表記)
正確には火花は見ていなくて音を聞いただけですが、何と言うかがパッと出てこず見たことにしました。嘘ではあるけど危険度が伝わって部屋移動できれば万事OK!
でもスタッフの反応は…
没有空房(空室がありません)
ちょっとダルそうに言われたのが何とも言えない気持ち。
なるほど~~~~~~。
そっかGWだしな~、そうだよな空室ありの前提で考えてたんがおかしいよな~。
ということで私は宇宙猫の顔。肩を落として「OK…」と電話を切ったのでした。

他のホテルを血眼で探そう
それでも、まだ室内に煙の臭いが生々しく残っているこの部屋。仕方なく泊まることもできません。
周辺のホテルが多少高かろうが命(タマ)ァ取られるよりマシ。なので荷物ごと部屋から出て、エレベーターの前の椅子に座ってAgodaで周辺ホテルを検索しまくります。
別の部屋の人が怪訝そうな顔でチラ見しながら通り過ぎますがお構いなし。0時を過ぎるとAgodaでの処理ができないため、他ホテルに移れるか/野宿か/最悪火に巻かれるかを賭けたRTA(Real Time Attack)です。
ちなみにフロントスタッフに電話した際「空室ねンだわ」と言われた筈なのに、Agoda上では空室があるようでした。まあもうココには来ねェよ!って感じですが…。
時間が時間なのでホテルがつかまらない
Agodaで空室を確認してる間に0時を過ぎてしまい、Agodaアプリ内のチャットで「今からでも大丈夫ですか?」的なメッセージを送信しても、ホテル側にとっては「もうこんな時間からチェックインしてくる人おらへんやろ~」な時間帯なので、返信は全然ありません。そりゃそうだ。
そんな中、Agoda掲載写真や情報の中にLINEの連絡先を書いてくれているホテルがありました!Agodaで空室があることは確かに確認しましたが、連絡できたのはギリギリ日付を跨いだ後。反応してくれるのか…??
ドキドキしながら待っていると…
ホテル「顧客您好」(お客様こんにちは)
ぃよっしゃぁぁぁあ!!!!
わたし「今からチェックインして10時前後にチェックアウトしたいんです」(片言中国語)
ホテル「可以」(できますよ)
マンマミーーーーア!!!!
何だか紫南宮に参拝してからやたらめったら試練イベントが発生する気がするけど、何とかイベントクリアできてることに感謝感謝!
とはいえども、もう日付を跨いでしまっているのでAgodaでの決済処理はできません。
でも決済だけならカード出して「カードで良いっすか?」だけ言えればいいので大丈夫。余裕余裕。ひとつ中国語の大きな試練を乗り越えた私にとっては、こんなもん屁でもありません。
火花ホテルでの最後の試練
移る先のホテルが決まれば、やっと安心して火花が出たホテルをチェックアウトできます。
が、私がチェックアウトして無事であれば没問題!というわけにはいきません。
次に泊まる人や、たぶん私が泊まった部屋と同様に電灯周りが腐海状態であろう他の部屋の安全の為にも、ホテルに危険を伝えておく必要があります。
(優しさとかそういうのではなくて、単に後日火事になったら寝覚め悪いなと思うので…。)
こういった安全管理系の情報は誤解のないよう確実に情報伝達する必要があるため、Google翻訳で言いたいことを翻訳しておき自分でも目を通しておかしくない内容であるのを確認、すぐに表示できるようにして…いざ!フロントへ。
私が真夜中にキャリーケースを引いてフロントに来たので、独りでフロントの番をしているお兄さんが怪訝そうな顔をしていましたが、部屋の鍵を出してチェックアウトしたい旨を伝えると「あ~ね」という表情をされました。なるほどさっき電話に出たのはこのお兄さんか。
そして、さっき翻訳しておいた情報をピャッと見せます。
「室内で火花の音がして、煙の臭いがしました。おそらくTVの上の電灯に原因があります。火災の危険があるので他のホテルに移ります。」
するとお兄さん、空室を手配しようとしているのです。いやさっき「空室ねンだわ」言うたやんけ!!
思わず「もう他のホテルを予約しました」と口を突いて出る中国語。多分文法その他はボロボロなんでしょうけど、今思えば瞬間作文できていること自体が嬉しいですね。
お兄さんは「もう予約しちゃったの?」と言いながらも手続きをしてくれ、チェックアウトが完了しました。
あばよ、もう来ねぇぜ。
夜の静かな台中駅
真夜中過ぎの台中駅周辺を歩くと、既に営業終了後の台中駅バスターミナルでは柱の根元毎にホームレスの人が何人も寝ています。
優しい人が多いな~と感じる台湾人でも、ホームレスがまるで居ないかのように振る舞っていた昼間の光景を思い出して、不思議で複雑な気持ちになるのでした。
(それと夜市にいるお菰さんにも目線もくれず、現世と幽世の交差みたいに過ぎていくのが何とも表現しづらいですね。)
こんな時間では皆さんもちろん寝ているので、キャリーケースを引く音が響いて起こさないように持ち上げ、そそくさとバスターミナルを通過したのでした。
助けてくれたホテルは何もかも優しい
無理を聞いてもらったのは「挪威森林台中行旅1号館」というホテルで、和訳すると「ノルウェイの森 台中 ホテル1号館」。私はあまり村上春樹の作品が好きではないんですが、このホテルはいいホテルです(笑)
フロントスタッフさんは、私が簡単な中国語を使ってLINEのやり取りをできていたからか普通に中国語で話しかけてこられました。(ちなみにチェックイン/アウトが多い時間帯は日本語対応可の方がおられるとのことです。)
が、私が一部しか聞き取れていないことを伝えるとGoogle翻訳を駆使してチェックインの説明をしてくれました。一方で、朝食の時間と場所を中国語で聞いたら「OK、それくらいなら分かるのね」とばかりにゆっくり目の中国語で返してくれるなど、相手を見ながらの柔軟な対応。
エレベーターの前まで案内してくれたり、「観光で来たの?」とおススメのスポットを教えてくれたりもしましたね。観光としては色々ハードルが高い紫南宮をオススメされて「そこ昨日行ってん!^^」と返答したからか、台中の中心部だけではなく地元民の憩いの場的なところや交通手段のハードルが高いところもガンガン教えてもらい、LINEで連絡していたのもあって、私が部屋に入った後もオススメスポットがどんどん送られてきていました(笑)
結局1時くらいまでやり取りしてたかな。お陰様で、次回の台湾旅で行ってみたい台中のスポットが爆増したのでした。ありがてえ。
怒涛の試練ラッシュだったけど
火花が散った音を聞いてから、血の気が引いたり普段の10倍のスピードで思考したり瞬間中国語作文をしたりと、約1時間のあいだに不可避の色んな試練イベントが発生したのは恐ろしい限りだったものの、最終的には何とかすることができてある意味急成長できたような気がします。
何だか新入社員になってすぐの、社外の方と自社とのバトル(←)を思い出したのでした。
死に物狂いで目の前のタスクを捌いていたら、知らん間に成長していたみたいな。
あとは、火花のホテルで間接照明周辺が適切に掃除されて、火災の危険がなくなってるといいなと思います。
それでもあの瞬間の衝撃は忘れられないのであのホテルには泊まらないと思うんですが(ちなみに助けてくれたホテルは次回台中泊の時に会員になろうと決意したくらいいいホテルでした)。
私は台中が何しろ性に合い、将来は台中に住んで骨をうずめるぞ!くらいに考えていまして、一見トラブルでしかない今回の事件を通しても、アラフォーにして台中への思いがさらに強くなったのでした。
